もう何年前になるんだろうという、学生時代のお話。学籍番号が近いが為にゼミの発表日が同じだったN君が、ある時、夕方の研究室で、つらそうなお顔をしている。尋ねたら「ちょっと身体がだるくて」との返答で、それは無理せずに早く帰ったら、なんて話しながらにお互い資料を広げて、さて、どのぐらい頑張った後だったか。
突然、勢いよく分厚い本を閉じて立ち上がったN君、「こんな日は焼肉だろう!」と宣言。思いもかけない単語に「そんなガッツリ行けるもの?」とぽかんと訊いている時には善は急げとばかりに、帰り支度を始めていて、「何を言ってる、今だからこその肉! それも、ニンニクをガツンと入れて!」と握り拳を作らんばかりの調子で力説されました。……成程、今こそスタミナが必要。美味しいものを食べて、温まった身体で眠って復活だと、結局、その場にいた四、五人で最寄の焼肉屋に繰り出す事に。お肉だけでなく、キムチやら、おこげも香ばしい石焼きビビンバやら、たらふく食べて、見事翌日には復活となりました。
この経験があってから、もう結構な年齢になったというのに、未だに、ちょっとしんどいと「こんな時こそ、焼肉?」と考えが頭をよぎります。特にホルモンが効く気がするので、今度元気が無い時は桑名のホルモンが美味しい焼肉屋でエネルギーをチャージしようと思います。